今回も、素敵な作品、楽しい作品が並びました。ありがとうございました。

冬の樹々は葉が落ち、その枝の美しさが際立ちます。まるで3本の樹々がお喋りでもしているようなこの風景写真が3月のテーマです。風景を題材にしても良いですし、3本の樹々を擬人化してその人間関係を描き出す作品でも、色々な楽しみ方がある写真です。ファンタジーな世界観でもなんでも、色々と妄想を膨らませて、皆さんの世界観を短歌に盛り込んでみて下さい。
皆さんの作品
①三本の樹々は仲良くそびえ立ち 雨の日風の日 地域見守る
作者:julyさん 長野県塩尻市
七音コメント:人は自然の恩恵を受け、見守られて生きていますが、ここに実際に暮らす人々を重ね、地域の子ども達や、地域の賑わい、発展、暮らしている皆さんを見守る姿を表現されているところに、地域を想う優しさを感じます。「仲良く」に、仲間を大切にするお人柄も感じられます。
②気を抜くな 春はそこまで いや雪だ さくらも迷い 準備運動
作者:虎子さん 長野県塩尻市
七音コメント:この作品通り、今年は4月に入ってから、雪がつもりました。お花も人間も、春の気分でいたらまた雪で凍える日々で、春に向けての準備運動という表現はとてもしっくりきました。実際に体験した季節の変化を作品に上手に盛り込んであり、今年ならではの短歌ができました!
③樹を抱いて樹と話して育まれまた会おうよと声が聞こえる
作者:二木紀美子さん 長野県塩尻市
七音コメント:生命の繰り返しの中には、命と命の触れ合いや会話、愛情のやりとりがあります。人でも動物でも植物でも風景でも、「また会おう」と言える出会いがあることは素敵ですね。「生まれてきたこと」から生まれる優しい会話やめぐり逢いを感じる、素敵な作品です。
④川べりで雑炊ことことやりながら見上げた空は新学期色
作者:二木紀美子さん 長野県塩尻市
七音コメント:凄くいい情景ですね。ここに樹は何も書かれていないけど、雑炊をことこと作る暮らしの中に、この写真の樹々があり、見守っているような温かさが感じられます。最後の「新学期色」のまとめ方も、春の訪れ、新しい希望を感じさせることができて、とても素敵です。
⑤めぐりゆく四季の風を樹々運ぶ 遠くを想い我ひとりごち
作者:たたみやさん 長野県朝日村
七音コメント:葉の落ちた木の枝は、硬さを感じやすいものですが、風を運ぶという表現から、枝に生命力や躍動感などの動きを感じて鑑賞することができ、感動でした。擬人化した樹々の目線の高さまで「遠くを想い」で表現してあり、作者の世界観も表現力も素晴らしいと思いました。
⑥気がつけばいつも見ている森木立朝夕我を見守りている
作者:たたみやさん 長野県朝日村
七音コメント:生活の中にいつも存在してくれている樹があるって、いいですよね。自分の生き様を見守ってくれていて、何も言わないけど、ちゃんと「知ってくれている存在」が居ることは嬉しいものです。時に、心の支えになってくれることもあります。「思い出の樹」の優しさを感じます。
⑦木漏れ日に見た君は秋に去りゆく 花影の下待つと伝えて
作者:たたみやさん 長野県朝日村
七音コメント:木漏れ日で見るふんわりした「君」が、秋に去ってしまった。でも「待つ」って約束は残してくれた。思い出は「過去」だけど、「約束」はその中での唯一の「未来」です。「これから果たされるもの」として、待ってしまう、その切なさが伝わってくる作品です。
⑧枝たちは空に向かって伸びをする花に主役を譲る時まで
作者:川村聡子さん 長野県松本市
七音コメント:枝達の気持ちになって、思わず一緒に背伸びをしたくなっちゃう短歌です。いつか主役を交代しなきゃいけないと分かっているからこそ、自分が輝ける時に思い残すことなく背伸びしまくろう!与えられたチャンスにまっすぐな気持ちでこたえる、気持ちよさを感じられます。
⑨二重人格と優柔不断とお転婆の裸婦像なる桜かな
作者:上條弘夢さん 長野県塩尻市
七音コメント:「裸婦像」がとても素敵で、一人一人に性格も添えているところに、絵画のような芸術的センスを感じます。深い想いとか感情とか小難しいことをあえてそぎ落とし、視覚的妄想での遊び心に的を絞る潔さで、グッと魅力が凝縮されてますね。
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