皆さんの短歌作品をご紹介します。木曽平沢・諏訪神社秋の風景(10月・11月)

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ここは木曽平沢にある諏訪神社です。風で転がる落ち葉、歩いて踏まれた落ち葉の音、陽の光で輝く黄金の葉っぱ達、少し硬くなった葉の触り心地、落ち葉の香り、落ち葉をひろう姿が美しい人、、、。様々な五感で秋を感じて、想像して、短歌を作ってみて下さいね!

作品は11月20日(木)で締め切りとさせていただきました。

作品の下に青い文字で七音コメントを添えさせていただきました。皆様が込めた想いと違うとらえ方をしてしまっていたら、申し訳ございません。私が感じた素直な感想です。ご興味ありましたら、ご覧ください。

目次

みなさんの作品

秋晴れに吸い込まれたら諏訪神社 金の葉ゆらり鳥のさえずり 作者:じゅりーさん(長野県塩尻市)

七音コメント: 「吸い込まれたら」に神々しい空気感が感じられますね。静かな平沢は鳥のさえずりが心地よく聞こえるので、その情景も表現されてて素敵です。

神聖な自然の神に頭下げ木々と会話の券をもらった      作者:二木紀美子さん(長野県塩尻市)

七音コメント:「会話の券」は舞い落ちてきた紅葉でしょうか、「神に頭下げ」の流れか、神を感じる心の落ち着きと美しさと、「会話の券」から絵本の世界観も感じられる遊び心のある作品ですね。

差し出した手にはどんぐり大切に君にみせたい天からの息   作者:二木紀美子さん(長野県塩尻市)

七音コメント:どんぐりを「天からの息」と表せるセンスが抜群ですね。どんな人の手なのかしら?とか、見せたい人は誰だろう?とか、読み手が色々に想像できる優しい空気感のある作品です。

どうにでもならないときに神様にお願いするの越える力を      作者:二木紀美子さん(長野県塩尻市)

七音コメント:なんかもう、とにかく気持ち分かります!って言葉が先に出てきてしまうくらい、素直に気持ちが表現されていて、写真の鳥居が生きてくる短歌ですね。周りの紅葉も色鮮やかなので、余計にパワーを感じてお願いしたくなる気持ちが分かる短歌です。

落ちてゆく黄金の葉が見守るは由緒正しき赤い本殿         作者:翡翠さん (長野県塩尻市)

七音コメント:黄金の葉は、心がパッと明るくなるような、惹きつけられる力がありますね。そして「赤い本殿」でしめくくってあり、 色で作品に凛とした神聖さを盛り込めてあるところが上手ですね!「由緒正しき」で、赤色の格があげられているのも効果的!

突然の風に葉色は揺れ交じるすわ神様かと振り返りたり      作者:逆井 誠さん(愛知県日進市)

七音コメント:この神社は階段を上がった高い位置にあり、風で葉が擦れる音の存在感が大きいです。確かに神様が何かか囁いたような気持ちになります。そして葉音ではなく、「葉色」にしたことで、赤や黄色の色々な紅葉が想像され、その重なり合う美しさが表願されていて素敵ですね。

仕事中眠くなるのを覚悟して読書楽しむ秋の夜長に         作者:ugeeさん(長野県安曇野市)

七音コメント:暑さが落ち着き、読書にちょうど良い季節になるのが秋ですね。目の前の情景ではなく、夜に読んでいる本の舞台として、この神社の景色が感じられる面白い作品です。上の句から、仕事中うとうとする姿も想像できて、微笑ましくなる短歌ですね。

もみじより知れずいきてる藪の中 最後の輝き君は錦木        作者:虎子さん(長野県塩尻市)

七音コメント:華やかな紅葉ではなく、藪の中に静かに生きる姿を歌にしていらっしゃるのですね。最後の輝きとなる「君」をどのようにとらえるのか?「藪」を「社会、」綿木を「落ち着いた柔らかさのある誰か」ととらえると、生き様や心の支え、希望を等を感じることもできる作品です。

鎮守様でメンコ・石けり かくれんぼ遊んだ童今は何処に      作者:たたみやさん(長野県朝日村) 

七音コメント:昔は神社や公園で子どもが集まって遊びました。神様もなんとなく一緒に遊んでるような感覚でした。その頃の童は今、子ども達を見守る側になりつつも、メンコがあればまたすぐに童心に戻れそうです。今の子には神社はちょっと遠い存在になりつつあり、寂しいですね。

出雲より戻られたので里山は悠久の時穏やかに刻む         作者:たたみやさん(長野県朝日村)

七音コメント:神無月は全国の八尾万(やおよろず)の神様が出雲大社にお集まりになり、人々の幸せのご縁を結ぶ会議「神議(かみはかり)」をなさるのですね。そこから神様がお戻りになった11月の里山に、穏やかな時間が果てしなく続く、という雄大で信仰心や心の豊かさを感じる作品です。

あれはたぶんウワミズザクラじゃないかな僕らは黄色を包んでゆくよ   作者:藤森円さん(長野県塩尻市)

七音コメント:紅葉の木ではなく、その周りを取り囲むあまり紅葉しない針葉樹の側の目線で作った面白い視点の短歌ですね。でも囲むのではなく「包んでゆく」の言葉に、優しさや愛情を感じ取ります。針葉樹にとってウワミズザクラはどんな存在か?を想像する楽しみのある作品ですね。

ああ神よわたしは空が見たいのです黄の美しさが切なすぎるの     作者:藤森円さん(長野県塩尻市) 

七音コメント:美しさは感動を与え、芸術や文学を生むものではありますが、その美しさが時に自分には眩しすぎて華やか過ぎて辛くなる時があります。10.11月の空は9月ほどの鮮やかさがなく、程よい青みが優しく心を包み込むことができます。神社で「ああ神よ」がきいてますね!

長男の靴に纏わるイチョウの葉神様になった誰かさんのせい        作者:逆井誠さん(愛知県日進市)

七音コメント:「誰かさん」が誰なのかとっても気になる作品です。神様になった作用が子どもの靴にイチョウの葉が纏わりつく現象ってとこが、なんだか可愛らしいです。足元に積もるイチョウの葉を蹴りながら、子供とお散歩をする優しい秋の時間を感じる穏やかな短歌ですね。

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