親切な電気屋さんに手を振って
やっと見つけた句碑に微笑む
七音
諏訪神社の下に、ポツンとたたずむ芭蕉句碑がありますが、
大木の中に佇んでいて、旅人がなかなか見つけられません。
そこで皆さんが頼りにするのが、
すぐ近くにある地域の小さな電気屋さんです。
令和4年、桜プロジェクトにより
やっと芭蕉句碑の案内が設置されました。
電気屋さん、ちょっと寂しくなっちゃいますね。
松尾芭蕉(まつおばしょう )
1644〜1694
江戸前期の俳人
伊賀の国(三重県)上野の生まれ。武士身分を捨てて町人の世界に入り、江戸で談林派などの俳諧を学び、のち「さび」「しおり」「細み」などを根本理念とした蕉風を開拓し、俳諧を芸術として確立しました。多くのすぐれた門弟を輩出させ各地を旅し、名句と紀行文を残しました。紀行文の『奥の細道』はあまりにも有名です。
諏訪神社境内下の木曽漆器文化財修復工房前には、楢川エリア唯一の芭蕉句碑があります。寛政年間(1789から1801)に編纂された「中山道分間延絵図」には、現在ある位置から少し贄川側によった場所に芭蕉塚が描かれていました。 宝暦十一年(1761)に木曽福島関所十代目代官 山村甚兵衛が建立したと伝えられ、市内にある歌碑、句碑の中でも最も歴史あるものです。正面向かって右側面に「送られつ おくりつはては 木曽の秋」と詠われています。
石碑の側面に刻まれている俳句には、「人を送り、送られ、離合送迎を繰り返し、 いよいよ木曽路の山中に行き暮れることになった。時は全てのものが朽ちていく秋であり、別れの想いもより深く感じるものだ」、という思いが詠まれています。市内にある190基にのぼる文学碑の中でも最も歴史あるものです。是非訪れ”芭蕉の想い”を感じ取ってください。
所在 | 木曽平沢2221番地付近 諏訪神社境内下 |
設置年 | 宝暦11年(1761) |
碑サイズ | 高さ1280×幅580×奥行280 |